テクノベーション・アンバサダーのブログ

世界最大のガールズテックコンテスト「テクノベーションチャレンジ」についてご紹介します

女子高生がコーディングで世界を変える!? 映画「CODEGIRL」とは?

シリコンバレーのトップ企業のエンジニア職における女性比率は、Googleで17%、Facebookで15%、Twitterでたったの10%、またアメリカのコンピュータサイエンス(CS)学部卒業生のうち女性はわずか18%だそうです。

なぜそんなに女性が少ないのか、その背景の一つに「コンピュータサイエンスは男性のもの」という固定観念があります。
そこで、その固定観念を打ち破るため、“女子がコーディングで世界を変える映画”を作ろうと思いついたのが、アカデミー受賞作「不都合な真実」のレスリー・チルコット監督です。
そして女子のCS教育を推進するGoogleの支援を受けて制作されたのが、映画「CODEGIRL(コードガール)」です。

前回の記事でご紹介した、女子中高生のための世界規模のテック起業コンテスト「テクノベーションチャレンジ」の参加者たちをカメラが追いかけたドキュメンタリーです。
映画のクライマックスは、賞金1万ドルをかけた世界ファイナル。開催地はシリコンバレーの入口サンフランシスコです。私もコンテスト参加者の一人として、この映画に出演しています。

プログラミングに関心のある皆さんなら、チルコット監督のこのビデオを見たことがあるかもしれません。
code.orgの"What most schools don't teach" (ほとんどの学校が教えてくれないこと)です。

ビルゲイツマーク・ザッカーバーグなどテック界のスターが多数登場し、なぜプログラミングを学ぶべきかユニークな視点で教えてくれます。
(翻訳:Life is tech!)

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そんなシリコンバレーでも有名なチルコット監督から撮影依頼のお手紙をいただいたのは、私たちのチームの世界ファイナル進出が決まった5月末のことでした。

実は学年末テストの直前で勉強が一番忙しい時期でしたし、本当は決勝に向けてもっと制作やコンテストの準備に集中したいと思っていました。
でも、監督と直接お会いして、この映画の目指していることの重要性について知るうちに、次第に私の中で考えが変わっていきました。私たちの存在が世界の女の子たちに影響を与え未来を変えるのだという責任のようなものを感じたのです。

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↑フィリップス・アカデミー・アンドーバーでの撮影風景↓
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撮影中は、校内でまるでセレブのように注目されたり、一流のクリエイターの仕事やプロの機材を間近に見られたことも刺激的な経験でしたが、撮影に参加して一番ワクワクしたのは、この映画を通じて世界中の女の子たちに刺激を与えられるということでした。

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 「CODEGIRL」は2015年秋、YouTubeで先行公開されることがスーザン・ウォジッキCEOから発表されました。それに続いて各地の映画館やイベントでも公開されました。

英語のほか、ポルトガル語スペイン語ヒンドゥー語版が世界で短期間に100万回以上視聴され大きな反響を呼びました。

 

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↑真ん中がレスリーチルコット監督

 

アメリカのメディアでも、webと映画館で同時公開するという新手法も含めて既成概念を覆すセンセーショナルな映画として大きく報じられました。

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フォーチュンの記事はこちら

CNNの記事はこちら

 

 撮影で語った私の想いは映画の中でも採用され、またメディアでも最も多く引用され嬉しかったです。

CNNなど各メディアで、引用された私のセリフがこれです。

 

「女性プログラマーになることは、ある意味とても孤独を感じることだと思います。周りを見ても女子プログラマーがほとんどいない中で、見えないものを目指すことは本当に難しいからです。」

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「見えないものにはなれない」というのは、ロールモデルの重要性を意味する表現で、テック界で活躍する女性が増えない原因の一つだと言われています。

例えばフィギュアスケートで羽生選手がプルシェンコ選手に憧れてオリンピックチャンピオンになったように、テクノロジーの世界でも憧れのロールモデルを持つことはとても重要だと思うのですが、残念ながら女性にとってはそれを見つけることが難しいのです。

私がテクノベーションに参加した理由の一つは、コンテストを通じて同じ夢を持つ女子の仲間を見つけたいという想いでした。そして世界の仲間たちとの出会いは私の宝物になったのです。

 

それからもう一つ、校長室の場面でのセリフも、映画のレビューやメディアで多く引用されました。

 

「テック界の女性を取り上げた記事や、女の子のためのITセミナーはありますが、本質的ではない要素がフォーカスされる傾向があり残念です。(中略)

でも、いったんプロダクトをリリースしたら、男の子が作ったか女の子が作ったかは重要ではありません。大事なのはそのアプリがどうやっってコミュニティの問題を解決するか、どうテクノロジーを使うかなんです。」 

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テック界で女子が成功するには、まだまだ見えない壁があるかもしれません。

でも、書いたコードに性別はありません。本当にみんなの役に立つ良いものを作れば、男が作ったか女が作ったかを気にする人はいないのです。

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きっとこの映画を見れば、皆さんも、今までの常識を捨てて、新しい世界に挑戦してみたくなるはずです。
そして、目の前にあるたった一台のコンピュータでも世界を変えられるとわかるはずです。

テクノロジーで世界を変えたい、未来のリーダーになりたい女子の皆さん、ぜひこの映画を見て、インスピレーションを受けてください!

既存の壁を壊しましょう!

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映画「CODEGIRL」は、2016年4月より、NETFLIXでも見られます!

 

詳細は公式ページからもご覧いただけます。

 

女子中高生のためのアプリ開発と起業コンテスト「テクノベーションチャレンジ」について詳しく知りたい方はこちらををご覧ください。

 

 

 

 

 

世界最大のガールズテックコンテスト「テクノベーションチャレンジ」に参加してみませんか?

みなさん、こんにちは!
アメリカ留学中の17才、角南 萌(すなみ もえ)です。
 

皆さんは「テクノベーションチャレンジ」というコンテストを知っていますか?

世界の女子中高生が、アプリと起業アイデアを競うコンテストで、今までに世界60カ国以上、5000人の女子中高生が参加しています。

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中学生の部、高校生の部があり、優勝チームには起業資金として、それぞれ1万ドル(約120万円)の賞金が贈られます!

 また、予選を勝ち抜いたファイナリスト10チームは、サンフランシスコで開催されるワールド・ピッチ・イベントに招待されTwitter本社などのIT企業を見学したり直接お話を伺ったりする素晴らしい機会が与えられます。

 私はこのコンテストにアメリカの高校のチームメイトと参加し、2015年の世界大会で準優勝をいただきました。

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日本チームの参加はこれまでになく、私が日本人として初めての参加でした。

アジアの他の国からは活躍しているチームがいるのに、そして、日本にもアプリ開発が好きな女子中高生もたくさんいるのにもったいない!と思いました。

そこで、このブログでは、日本ではまだ知られていない「テクノベーションチャレンジ」がどのようなコンテストで、参加するにはどうすれば良いかについてご紹介したいと思います。

 

・誰でも参加できるの?

女子中高生であれば誰でも参加できます。必要なのは、チームメート(2人から5人)を見つけること、そして、「メンター」(部活の顧問のようなもの)を引き受けてくれる学校の先生やIT企業の方を見つけることだけです。

 

・どんなアプリを作ればいいの?

テーマは「コミュニティの問題の解決」です。大きな社会問題から、身近な問題まで何でもOKなので、これを解決するアプリとビジネスモデルを企画する必要があります。

 例えば、前回の優勝チームはナイジェリアのゴミ問題を解決するアプリでした。また前々回は東欧のモルドバチームが井戸水の安全性を確保するためのアプリを開発し優勝しました。

私たちのチームが開発したのは、学校生活のストレスをポジティブなエネルギーに変えるソーシャルアプリ"PraisePop"でした。

こちらがそのデモビデオです。

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・初心者でも大丈夫?

大丈夫です。参加者にはアプリ開発から事業計画書の作成までオンラインで無料で学べるカリキュラムが用意されています。(ただし残念ながら現在のところ日本語訳はまだありません。)

また、プログラミング初心者には、難しいコードの入力なしでパズル感覚でアプリが作れる「MITアップインベンター」というツールが推奨されているので、初めてでも簡単にアプリのプロトタイプを作成できます。もちろんほかの言語で開発してもOKです。

 

・どれくらい時間がかかるの?

通常は、アプリのプロトタイプとビジネスモデルのプラン(事業計画書)、ピッチビデオ(短いプレゼン映像)などを3〜4ヶ月かけて制作し提出します。

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・英語が話せないといけないの?

英語は必要ですが、必ずしも流暢である必要はありません。学校で英語を勉強している皆さんなら大丈夫です。

セミファイナル以降は英語での審査になるため、ピッチビデオやビジネスプランには英語翻訳をつけて提出するのがおすすめです。

また、決勝では英語プレゼンが必須ですが、例えば2014年の優勝チーム、モルドバのように、これまでの大会でも非英語圏からの参加チームが活躍していますので、しっかり準備すれば不利になることはないと思います。

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・世界大会はどんな感じなの?

世界のIT好き女子中高生の甲子園なので、アメリカ、アフリカ、アジア、中南米、ヨーロッパから同じ夢を持った仲間たちが夏のサンフランシスコに集まります。一週間の滞在中、TwitteramazonなどのIT企業を訪問したり、そこで活躍する方々に直接お話を伺ったり素晴らしい経験ができます。

ITと起業によってこんなに広い世界や未来とつながる機会が持てるんだ、と感動できるイベントです。

 

皆さん、いかがでしたか?

プログラミングやビジネス、起業に興味のある女の子にとって世界に視野を広げながらそのためのスキルを学ぶきっかけとなる、他にはないコンテストだと思います。

ぜひチャレンジしてください!

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もっと詳しく知りたい方はこちらの公式サイトをご覧ください。

テクノベーションチャレンジ公式サイト 

テクノベーションチャレンジ2016はもうエントリー受付が始まっています!

また2015年の大会の様子を追ったドキュメンタリー映画CODEGIRL(コードガール』もオンラインで配信されているので、ぜひご覧ください! 

映画「CODEGIRL」公式サイト

 次回のブログでは、私も出演している映画「CODEGIRL」についてご紹介したいと思います。